最近の犯罪の傾向
侵入窃盗が発生しているのは、一戸建住宅・その他住宅・中高層住宅(4階建て以上)の順で、手口としてはガラス破りが最も多く、次いで無締りとなっています。
(出典:警視庁ホームページ「安全な暮らし」より)
泥棒にターゲットにされない工夫が大切
では、具体的には泥棒はどんな家をターゲットに選ぶのでしょうか?泥棒の心理としては「留守である。侵入しやすく逃げやすい」家が狙いやすい家となります。ですから、犯行前に充分下見(家人が留守にしている時間帯を調べる、侵入経路・逃走経路の確認)をしている可能性があります。最近では複数犯による犯行も少なくありませんので、男女を問わず携帯電話などを持って周辺を徘かいするような不審者を見かけた場合は、特に気を付けたほうがよいでしょう。場合によっては、110番通報することをオススメします。
基本的なことですが以下の点に気をつけてみましょう。
・郵便受けを一杯にしない。
・車庫が空であることを目立たせない。
・生活音(洗濯機の音、テレビの音など)がしない。
・カーテンを閉めっぱなしにしない。
・夕方以降、照明が消えている。
・留守電は、留守であると分からないよう工夫する。
・洗濯物を干しっぱなしにしない。
など、留守宅であることを泥棒に悟られないことが大切です。実際にこれらのすべてをクリアするのは難しいかもしれませんが、何かひとつでも工夫をすることによって、泥棒にターゲットにされる確率が低くなります。
また、泥棒が留守であること以外で重要視するのが、「侵入しやすく逃げやすい」家であるかどうかという点です。
立地条件上ターゲットにされやすい要因には、以下のものがあげられます。
・高い塀や植え込みがある。
・隣の家との建物の間隔がせまい。
・物置など足場になるものを置いてある。
・人通りの少ない道路に面している。
・道路から奥まったところに入り口がある。
・ベランダが隣とつながっていて、板1枚で仕切られている。
・各階の廊下が外部から見えない。
・街灯がない。
・屋上に上がっていける。
状況を根本的に改善することがむずかしい場合も多いですが、泥棒が心理的に入りにくい方法を積極的に取り入れることが重要です。
例えば…
・人が近づくと明かりがつくセンサーライトを取り付ける。
・防犯ステッカーや防犯カメラ(ダミー可)を玄関に取り付ける。
・入り口や庭に砂利を敷く。
・玄関のカギを交換・増設する。
・警備会社と契約する。
・番犬を飼う。
などです。何かしらの対策をすることによって泥棒に「この家は防犯意識の高い家である」ということをアピールし、犯行を諦めさせるきっかけにつながります。
オートロックの落とし穴
共同エントランスがオートロックの場合でも、100%安心はできません。住人の後に続いての侵入も可能なので、住人以外を完全にシャットアウトできるとは限らないのです。オートロックは実質的なセキュリティ機能よりも心理的な効果を考慮したものといえます。したがって「各住居の玄関はいちいち施錠しなくても大丈夫」「窓に鍵をかけたことがない」などスキだらけのオートロックマンションは、泥棒にとって「一度侵入してしまえば宝の山」になってしまうのです。
共同住宅では通路にズラリと玄関ドアが並んでいるので、防犯対策のなされていないドアが多ければ短時間でより多くの犯行が可能となってしまいます。
侵入されないためにも、
「すぐ戻るから」といって無締まりのまま出かけたりしない。
ピッキングやサムターン回しなどしにくい鍵への付け替えをする。
補助錠などを取付け、ワンドア・ツーロックにする。
ドアの外側にガードプレートをとりつける。
通路に面した窓には、格子や補助錠を取り付ける。
窓ガラスそのものを防犯ガラス(合わせガラス)に交換する。
窓に飛散防止フィルムや振動センサーを取付ける。
こういった対策は、泥棒に「ここは時間がかかる」と犯行をあきらめさせるアピールにもなります。
ガラス破りによる侵入の対応策
ガラス破りといってもガラスを割ってあけた穴から侵入するわけではありません。クレセント周りのガラスを割ってクレセントを外し、窓を開けて侵入する方法のことをいいます。
ガラスを割れないように強化することも大切ですが、それより効果的なのが、クレセントを外しただけでは窓が開かないように工夫すれば侵入を防ぐ可能性が高くなります。
有効な対策としては…
・防犯ガラスに取り替える。
・飛散防止フィルムを貼り付ける。
・振動や開閉に反応して警報を鳴らすアラームなどを取り付ける。
・泥棒の手が届きづらく、目に付きやすい上の部分に補助錠を追加する。
・振動センサーを貼り付け、外側から警告表示ステッカーが見えるようにする。
といったものがあげられます。
泥棒にとっては防犯意識の高い家ほど犯罪をおこないにくいものです。しっかり防犯対策をおこなっていきましょう。
※賃貸物件の場合、防犯グッズを取り付ける際には、不動産会社もしくは大家さんにご確認ください。